古物商オークション市場の話。~服は、生ものです。まさに、鮮度が命!~

古物商オークション市場

服飾専門学校卒、アパレル勤務経験ありのCureRe スタッフ倉井です。
古物商としての事業も夫婦で営んでいます。

そんなわたしが、一般の人にはあまり縁のない古物商オークション市場について、特に衣料品の中古市場について書いてみたいと思います。

 

古物商オークション市場はこんなところ

 

古物商オークション市場では、さまざまな中古品が競りによって売買されています。
のべつまくなし競りが行われているわけではなく、たとえば

4のつく日は「家具、家電、インテリア、雑貨、小物」

9のつく日は「古美術品、着物、骨董品」

といった感じで、それぞれのオークション市場でカテゴリー分けしてオークションが開かれています。中古オークション市場に参加できる条件は、「古物商許可」を持っていること。その条件をクリアした業者だけが、会員登録をしてオークションに参加することができます。

売り手は、中古品買取業者や不用品回収などをしている業者、
買い手は、リサイクルショップや中古品をネット通販で売っているバイヤーたちです。

オークション開催日の会場には、足の踏み場もないほどぎっしりと商品が集まってきます。
集まった商品は、次から次へと競り場に運ばれ、まず「競士」が初値を付けます。それに対して、競りの参加者たちが一斉に自分の付けた値段をいってきます。競りでは、「符丁」と呼ばれる独特の言葉を使って、自分の付けた値段を叫びます。

センマイ!!
ジュッカンメ!!

こんな感じで、一般の人には何を言っているのかわからないと思います。

品定めをしたり、儲けがいくらになるのかを考えたりする間もないくらいの速さで、商品取引が行われます。みなさん、中古品のプロ集団ですから、瞬時に判断します。

 

古物商オークションで競り合いになるもの

 

そんな中でも、競り合いになる商品といえば、今まさに流行りの高級ブランドのものです。さらに今シーズン限定のシリーズものなどは、特に競り合いになります。
ちなみに、製造から1年未満の家電製品なども競り合いになる商品です。

そんな流行りのアパレルブランドであっても、少しでも人気が下がると1枚1枚ではなく、段ボールやファンシーケースに入れられて、一山単位でまとめて取り引きされるようになります。一山単位でも値段がつかないと、競士が売り手に、「ほかに何かないのー?」と
声をかけ、売り手はもう一箱、もう一箱と服の入った段ボールを追加していきます。

買い手側は、女性用の衣料品には特に慎重なようです。女性用の衣料品は、流行り廃りが早くて、廃れてしまった商品は安くしても売れにくいからです。
それゆえ、値がつかずに流れてしまうこともあります。

ときどき、バブル時代のビビットカラーのボディコン服や肩パット入りのダブルスーツなんかが競りに出てくることがあり、バイヤーたちから「えー?まだ、存在していたの?」なんて声があがることも。若いネット通販のバイヤーたちは、それらの商品が昔流行ったこと自体知らなかったりもします。バブル時代の商品は、当時流行ったイタリアブランドのものでも、今では値がつくことは皆無に近いです。

値がつかないと売り手は持ち帰り、「1キロあたり2円」で買い取ってくれるような、古服回収業者のところに持ち込まれます。そして、まだ着ることができそうな服は海外へ送られたりもしますが、もう着ることのできない服は、工業用のウエスなど資材に再加工されたりもします。

 

中古衣料品の売買の現実

 

未着用の服でも、ワンシーズン経過すれば、ほぼ売りものにならないのが現実です。ましてや、中古服となると、ブランド品でも古紙と同じ扱いになります。スキーウエアなど趣味のものはまた別ですが‥‥。

もちろん、思い入れのある服など、頭ではわかっていても、「1キロあたり2円」なんて言われるとショックですよね。そんな値段で引き取ってもらうぐらいならと、フリーマーケットやメルカリで売ってみようという方も多いのでは。ただ、気をつけないと、メルカリ初心者が、1度だけ着たドレスをクリーニングに出してから売ってみたら、売価3000円で見事売買成立。クリーニング代2000円より高く売れたと喜んだのもつかの間、手数料300円、送料730円で、結局マイナスだったったなんて落とし穴も。

 

 

こういう現実を、アパレル業界と中古品市場で数十年に渡り目の当たりにしてきたわたしだからこそ、断言できます。

 

服は、生ものです。まさに、鮮度が命!

 

衣料品を処分しようと考えているなら、できるだけ早く手放すことをおすすめします。クローゼットやタンスに、いくら寝かせていても、価値は上がるどころか、下がるばかりです。手間暇かけて1枚ずつ売ってみても、利益は微々たるもの。5年前に10万円で買った海外ブランドのスーツがやっと売れたのは1000円まで値下げしてからだったのに、今シーズン着てすぐに手放した人気ブランドの1万円のジャケットが3000円で売れたなんていうのはよくあること。衣料品に関しては、残念ながら「かくれ資産」になるケースはほとんどありません。

 

 

どんなものでもそうですが、高価だったからといって、ブランド物だからといって、高く売れるものではありません。高く売れるのは、そのとき世の中の人たちが欲しがっているものだけです。特に衣料品については、「今」流行っているモノが売れ筋であるというのはゆるぎない事実。値段よりもスピード重視で取引するのが正解だといえるでしょう。

 

特に白い服は要注意です。

 

白い服って自分のモノでもワンシーズン着たら次のシーズンに着ることを躊躇いませんか?
中古市場でも同じです。少しのシミや汚れが目立ちやすいのが白。

買い取り大手のブックオフさんでも、白い服は買取の対象外だそうです。服は鮮度が命!
白い服だとイメージしやすいかもしれませんね。

 

とはいえ新品、未使用、タグありのものなどはメルカリやヤフオクで売れることもあります。
悩んだらまずは出品してみるか、CureRe に査定に出してみるとよいかもしれません。意外なものに意外な値が付くことも・・・!?

出品側からすると、服はサイズの問題もあり細かく採寸して記載しないとならず、ともかくなかなか難しいです。メルカリでもまとめ売りなどが良いかもしれませんね。子ども服のまとめ売りなんかはよく見かけますよ、子どもの服はすぐにサイズアウトしますし、汚れますから。それでも送料もかかるので、売りに出そうと取っておくよりは潔く想い出とともに処分した方が早いかもしれません。

 

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